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木版画「想」〜自分の中をのぞく〜

静寂の中、自分の心の囁きを聴きに行くことがあります。じっと眼を閉じると、記憶の中に一歩一歩踏み込んで、小川のせせらぎや鳥のさえずりさえ聞こえて来るような気がします。瞬時にあの時、あの場所へ私を誘ってくれます。それは、心に羽が生えて窓から外へと飛んでいる時。そんな時、私は「瞑想」に一番近い世界に行っているんですね。




「鳳凰迎祥」(ほうおうげいしょう)2003年
サイズ H1305xW1605

池に映る「平等院鳳凰堂」の光景は心をとらえ、本当に足がそこから動きませんでした。夕暮れ時の鳳凰堂は、灯りに照らされた阿弥陀様の姿が浮き上がり、その神々しさで胸がいっぱいになりました。この幸せ感をどうしても版画にしたく、生まれたのが日展第35回入選作「鳳凰迎祥」です。水・空・鳳凰堂そして阿弥陀様。私はいつも手袋をして制作しますが、今回、阿弥陀様の姿を彫る時は手袋をはずし塩で手を浄し、御線香を立てて「南無阿弥陀如来」と唱えながら彫りました。そうしましたところ心が落ち着き、まるで筆を持ったように彫刻刀の動きが流れ、今のお顔が彫れました。不思議です。この「鳳凰迎祥」を平等院に奉納できましたことを、心より光栄に思います。




「紅楼依緑」(こうりょういりょく)2005年
サイズ H1185xW1588

この建物は名古屋の日吉町にある「料亭 稲本」です。ここは江戸末期に建てられ、明治、大正、昭和初期まで花街に君臨していた歴史を持っています。その後、料亭となり、現在は都市景観重要建造物に指定され、今尚その美しき姿を楽しませてくれています。
隅々まですべてが細密に作り込まれた建物、その鮮やかな紅殻の壁、そして驚くほど立派な石や灯籠の入った庭に私は唸りました。この玄関に立った時、私はその色っぽさにすっかり魅了され、「これこそ探していた建物」と確信したのです。
今も変わらぬ打ち水をしたこの庭先を幾つのラブ・ストーリーが通りぬけたのでしょう。
そんなロマンチズムを感じさせる風景でした。




「仙橋抱翠」(せんきょうほうすい)2007年
サイズ H1290xW1747

ここは昭和14年に松坂屋の初代社長伊藤次郎左右衛門祐民が名古屋覚王寺1万坪の森を切り開き築いた別邸です。今回の作品はこの別邸楊輝荘の北庭のシンボルとされている白雲橋を描きました。祐民は橋の下を流れる小川に船を浮かべ、異国からの貴賓の方々を乗せ水遊びをしたそうです。春の淡い若葉色の楓は秋とはまた偉い柔らかな甘い香りがしました。水に映り込む緑と揺れる水面の反射が橋の天井に映っていたのが印象的で、この光捉え方に初めて取り組んでみました。タイトル「仙橋抱翠」は仙人の住む橋が翠(緑)を抱くと意味します。私のライフワーク文化交流の橋です。